高血圧を予防におすすめ 毎食1品、トマトやトマトの加工品を賢く使う「トマト食」をとり入れましょう!
トマトには「リコピン」がたっぶり血管と血液の老化を防ぐ強い抗酸化作用があります。
この高い機能成分を存分に生かす食べ方を続けて、高血圧を予防しましょう。
抜群の抗酸化リコピンの力を引き出し美味しく食べよう
トマトを赤く染めている色素成分の「リコピン」は、ファイトケミカルのひとつであるカロテノイドのI種です。
カロテノイドとは、植物などが自らの酸化や細胞の変質を防ぐ目的で蓄えている成分。
全般的に優れた抗酸化力があります。人は、カロテノイドを体内でつくることができませんが、食べ物からとれば体の中で活性酸素ができるのを抑え、できた活性酸素をとりのぞき、血管や血液の老化を防ぐはたらきをしてくれます。
中でもリコピンはひときわ抗酸化作用が強いもの。ビタミンEの抗酸化力をIとしたとき、リコピンは100倍以上の力があり、他のカロテノイドのアスタキサンチン(約90倍)やβ‐カロテン(約80倍)、ルテイン(約70倍)より、断然、優れています。
この高い機能に着目し、その力を存分に引き出すトマト食を、毎食1品食べましょう。
抗酸化力が高い成分ファイトケミカル 人の健康に欠かせない栄養
体をつくリエネルギーの源となる、タンパク質、糖質、脂質に、体の調子を整える成分のビタミン、ミネラル、そして食べ物の消化吸収に深くかかわる食物繊維を加えた、いわゆる「六大栄養素」です。
しかし、これらとは別に、大切な成分として注目されているのがファイトケミカルです。
ファイトは、ギリシャ語で「植物」のこと。ケミカルは文字通り「化学物質」という意味。植物などが、紫外線や有害物質、外敵などから身を守るためにつくリ出した化学物資で、植物自身の生理機能を高める成分は人の健康維持や病気の予防にも役立つことが分かったため、注目されているのです。
しかしながら、まだ自然界にあるファイトケミカルの一部しか発見されていないと考えられていて、ほとんどの野菜や果物にいずれかのファイトケミカルがあり、ひとつの野菜や果物に複数ある場合もあります。
ファイトケミカルの多くは抗酸化や免疫力向上などの作用が確認されているものの、六大栄養素のように欠乏症を起こす心配はないと考えられ、人がどれくらいとるといいか摂取基準は定まっていません。
ただし、高血圧や動脈硬化など活性酸素の影響が大きいと考えられる病気の予防には積極的にとり入れたい栄養です。
リコピンの強い抗酸化作用を効率よく体にとり込むには、熱と油に強いというリコピンの強みを生かすのがコツです。
リコピンは熱が加わるとトランス体からシス体に構造が変化することで体に吸収されやすくなることが分かっています。また、油分に溶けやすいのでオリーブオイルなどと共に食べても吸収率が上がります。
トマトは生のまま食べるより、煮込み料理や炒め物で食べましょう。加工品のトマトケチャップやミートソースもリコピンの強みが生かされた食品です。